高齢者ドライバーによる事故が後を絶たない。
事故に至らずとも、歩道を悠然と走る自動車、高速道路や幹線道路の逆走といった、
非常に危険なインシデントも多く発生している。
では、このような事態が多発している要因とその対策について、ざっと示していきたい。
【原因】
① 高齢者ドライバーの絶対数が増加していること
一昔前までは、いわゆる高齢者ドライバーの絶対数はそんなに多くなかった。
なぜなら、時代的にもともと運転免許を保有していない人が多かったからである。
しかし、今の高齢者といわれる人たちの運転免許の保有率は一昔前よりも確実に高い。
運転免許の更新手続においても、事実上実技試験はなく、
よほどのことがない限り、更新停止になるケースは極めてまれであるため、
何歳になっても運転免許が維持できてしまう現状がある。
自分はまだまだ普通に運転できるという過信があったり、
車がないと生活ができなかったりという理由により、
なかなか運転免許の返納には応じられない事情もある。
② EV車やハイブリッド車の運転操作になじむのが困難であること
最近このような車が増えているが、
当然ながら高齢者が若かったころにはなかった車種である。
一般のガソリン車とは色々勝手が異なるため、
運転操作を一から習得するのは結構難しいのではないか。
【解決策】
① 運転免許を返納すること
もちろんこれが最も確実な選択肢になる。
しかし、日常生活のことを考えると厳しいかもしれない。
東京や大阪といった大都市圏であれば、公共交通が充実しているので、
日常生活には困らないかもしれない。
(実際、運転免許の返納率をみると大阪府が全国トップである。)
しかし、それ以外の地方では、クルマ=生活の足 になっている。
たとえ数百メートル先の目的地であっても、クルマを使う人は少なくない。
そもそも、今までの生活習慣を変えるというのはかなりハードルが高いものである。
② 公共交通を充実させること(特にタクシー)
免許を取り上げてしまったら、公共交通を充実させることは当然のことである。
しかし、人口が少ない過疎地域であれば厳しい。
とはいっても、日本のタクシーは極めて高い。
そこで、タクシーのような移動手段を多くかつ安く提供できるようにすればよい。
③ 自動運転の普及
ここで登場するのが、自動運転である。
タクシーの自動運転車が増えれば、人件費の問題はクリアされ、
料金も劇的に安くなる。
もちろん、交通事故の問題も大幅に改善される。
これにより、移動の(空間的、時間的、経済的)な自由が生まれ、
今までにない大きなインパクトになる。
以上、非常にざっくりとした論になってしまったが、
大枠として捉えると、将来的にはこのようになるだろう。
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