東京都心を走る地下鉄には2つの運営主体が存在します。
東京高速鉄道(以下、東京メトロ)と東京都交通局(以下、都営地下鉄)です。
通常、他の鉄道会社を乗り継いだ場合にはそれぞれの初乗り運賃がかかります。
しかし、両社の地下鉄を乗り継いだ場合、乗継割引が適用され、他とは少し異なる扱いとなっています。
① 70円割引される
具体的に言いますと、東京メトロと都営地下鉄を乗り継いだ場合、70円割引となります。
これは、少しでも運賃負担を軽減させることを目的に取られている措置です。
まあ、よそから来た人にとっては、同じ地下鉄なのに運賃負担が極端に大きくなったら驚きますよね。
② 実際の経路にかかわらず、最短経路にて運賃計算される
ここでは例として、東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅から都営地下鉄大江戸線六本木駅へ向かう場合を考えてみましょう。
以下、PASMOやSuicaといった交通系IC乗車券利用を前提に話を進めていきます。
当該ルートの最短ルートは、半蔵門→(半蔵門線)→青山一丁目→(大江戸線)六本木
となります。
まず、青山一丁目で乗換改札を通過する際に、半蔵門→青山一丁目間の運賃165円が差し引かれます。
そして、六本木駅で下車する際に改札にて、104円が差し引かれます。
どういうことかと言うと、
半蔵門から六本木までの運賃は165(メトロ)+174(都営)-70(乗継割引)=269円
であり、前述の六本木下車の際には、269(確定運賃)-165(既に引いた運賃)=104円
差し引かれるということです。
③ 最短経路以外の経路を利用した場合→結果は変わらない
では、上記のように最短経路ではなく、あえて遠回りした場合はどうなるでしょうか。
ここでは、半蔵門→(半蔵門線)→清澄白河→(大江戸線)→六本木
を例に考えてみましょう。
清澄白河駅の改札にて、195円が差し引かれます。
これは純粋に半蔵門→清澄白河を乗車した際の東京メトロの純粋な運賃です。
そして、大江戸線に乗り換え、六本木で下車する際に改札にて74円が差し引かれます。
お察しの良い方はもうお気づきかと思います。
どういうことかと言うと、②で述べた通り、確定運賃は269円ですので、
269-195(既に引いた運賃)=74円
差し引かれるということです。
④ どれだけ遠回りしてもいつも最短経路の運賃になるとは限らない
では、最短経路の運賃で精算される以上、どんなに遠回りしてもそうなるかと聞かれれば、
答えは、「必ずしもそうとは限らない」になります。
つまり、上記の例でいえば、
最初の東京メトロの乗換駅までの運賃が、
最終目的地である都営六本木までの運賃よりも高ければ、理論上余計に運賃がかかるということです。
⑤ ただし、④のケースは極めてまれである
東京メトロ及び都営地下鉄の初乗り運賃はそれぞれ165円、174円であり、
乗継割引を適用した最安運賃は、上記のケースと同様269円である一方で、
東京メトロの最遠運賃は308円、その一つ前が278円です。
よって、見出しの通り、④のケースは極めてまれです。
結論;多少遠回りしても運賃は基本的には最短経路で計算される
以上です。
もし、何か見落としている点等ございましたら、コメントにてご指摘いただけますと幸いです。
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